Bunkamura、ありがとうございました!

December 30, 2019

私には第二のスタート地点とも言えるような場所、Bunkamuraの催事が今年も終わりました。
今回もたくさんの素晴らしい出会いと、楽しい時間をありがとうございました。

会期中には折に触れて去年のことが思い出され、感慨深いような気持ちに。
オンラインと委託とで細々と活動していた私が、初めてリアルな場に出展させていただいたのが、去年の同じこのイベントでした。


あの時は何もかもが初めてで、楽しみな反面、緊張とプレッシャーに押しつぶされそうでした。
渋谷の奥、美術館や劇場などが入る文化複合施設であるBunkamuraで、期間限定とはいえ自分のお店を広げて見ていただくというのは、自分で応募したにもかかわらずたいへんなプレッシャーで、長年実績を重ねているハイクオリティな作家さんたちのなかで、今回受かったのはきっとまぐれだろう、こんな機会は一生ないだろうから、この光景をしっかり眼に焼き付けておこう、そんな風に思ったものでした。

普段は自宅作業のため、お客さまを前にしての販売やラッピングも緊張し、外国人のお客さまとのコミュニケーションも覚束ず、なんとか4日間の会期を終えたあとにはほっとするとともに、不甲斐なさと申し訳なさ、そしてしばらくぶりに会った友人知人たちの思いやりが有難くて涙が出ました。

そんなBunkamuraに、一年回って戻ってくることができたなんて。
あれから一年、というか、まだ一年? と思うほど、今年は本当にたくさんのことがありました。
その振り返りは次の記事に譲るとして。

 


今年の5月、私のキモノのきっかけのひとつでもあった祖母が他界しました。
祖母がまだ元気なときに整理したキモノのなかの一枚を、いつか私が着ることでもあれば、と母が仕立て直しに出してくれていたお陰で、私はすっとキモノの世界に足を踏み入れることができました。

日常にキモノがあるような優雅な家庭では決してなかったけれど、母はキモノが好きな人でした。

あれはある意味、そんな母からの言葉にしないメッセージだったのかもしれないと、今では思うのです。
そうでなければいつも合理的で厳しかった母が、あんなことをするはずはないな、なんて。

そんな風に好意的に受け取った娘は調子に乗って、着るばかりかキモノコモノ作家になり、趣味のつもりが仕事にまでしてしまって。


3日目のクリスマスイブの日、イベントでは初めて祖母のキモノを着てブースに立ちました。
あの日は、どこかでふたりが見ていてくれたのかもしれません。
会期初日は日曜日だったにもかかわらず、前半は正直、あまり振るわなかった私のブースでしたが、その日は滞っていた川が流れはじめたかのように、キモノをよく着られるというお客さまが何人もいらしたり、なかには着ないけど気に入ったから買ってくわ、なんてお客さままで。その流れは翌日までなんとなく続いてくれて。
こんなこともあるのですね。

 

 

 

連日キモノというのもあり、なかなか疲れの抜けなかった会期中、行き帰りにイヤホンから流していたのは、今年久々に新作を出した小沢健二氏の『So kakkoii 宇宙』というアルバム。
嬉しさ、楽しみ、ドキドキ、不安、緊張感、プレッシャーがないまぜになった疲れた身体に一筋のきれいななにかが注入されるような感じで、一曲目の『彗星』の冒頭の「全力疾走してきたよね」という歌詞になんか涙が出そうになったり。

今年は今までになくたくさんお世話になったのに、なかなか馴染むことのできなかった渋谷に降り立ち、地下から這い出て寒空を見上げた時、あぁ、やっぱりオザケンは渋谷が合うなぁと思ったり(笑)。
近年は大改造の進む、なにやら強大な混沌都市に圧倒されそうになる気持ちが、優しく軽やかに励まされるように思えました。

音楽というものは記憶とリンクするので、また後年になってこのアルバムを聴くと、このイベントのことを思い出すんだろうなぁ、なんて。

可愛いMV、恐れながら貼らせていただきます。感謝。

 

短いようで長い、そんななんだか不思議な4日間でした。
お運びくださったみなさま、作品をお迎えくださったみなさま、イベントを気にかけてくださっていたすべての方に心より感謝いたします。
本当にありがとうございました!

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