About
絹糸の鮮やかな色艶に
天然石の育まれた悠久の時に
海を渡ってやってきた、異国の素材の経てきた歴史や職人の技に。
国も年代もさまざまな素材に感動し
そこから受け取ったインスピレーションを大切にしながら
時には素材を活かし、時にはコラージュで
ひとつひとつ丁寧に、和装向けアクセサリーに仕立てています。
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作家略歴
中村智深
Tomomi Nakamura
1977年 埼玉生まれ
好きなモノ・コト:旧いもの、写真、建築、キモノ、国内外の手仕事
ガーデニング、お相撲、馬、素敵な素材を探すこと
共通の趣味が多い相方とねこのライカ&ローライ、ふたりと2匹暮らし。
以前はライフワークとして、旧い町や建築、銭湯など、
ひっそりと消え往く昔日の面影を写真に撮っていました。
広告制作会社、出版編集会社、老舗喫茶店勤務などを経て
2016年より【つばめボビン】として活動をスタート。
作品はオンライン販売のほか、年に数回、百貨店や着物関連のイベント等に
出展させていただくこともあります。→出展・イベント予定
現在、オンラインでの直接販売は以下でのみ行っております。
*店頭にて販売いただいております*
*キモノnao さいたま市大宮区大門町3-22-17
*阪急うめだ本店 11階きもの売場 大阪市北区角田町8-7
*日本橋三越本店 本館4階 呉服《華むすび》 東京都中央区日本橋室町1-4-1
*木ノ花 東京都新宿区袋町25-46-102
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はじめまして。【つばめボビン】と申します。
ご覧いただき、ありがとうございます。
人の手から生まれる美しいものがずっと好きで
気に入ったものをもとめては、暮らしや装いの友としてきました。
創作のはじまりは、カジュアルなキモノを始めたことから。
祖父母から譲り受けたキモノを相方とふたり
食事や美術館といった普段の外出で、ときどき着るようになりました。
きっかけは、私はもっぱら旧い日本映画のなかのキモノ姿に憧れて。
相方には、洋服ではお世辞にも良いとはいえない日本的な体型が
キモノとなると驚くほど活きてくることに感動して。
そうしてキモノに惹きこまれるうち、ごく自然な流れで
小物も素敵なものがほしい、と思うようになりました。
でも、当時の私はなかなか好みの小物を見つけることができませんでした。
特に男物の羽織紐は、ポイントとなるものなのに気に入ったものにめぐり合えず
相方も首を縦に振ってはくれず。
それなら、自分で作ってみたらどうだろう?
そうして生まれた最初の作品が、現在も販売させていただいている[タッセル羽織紐]です。
天然石などを繋いだものよりは、組紐などで作られた房のある方が好みだというので
ちょっと遊び心を加えて、房の代わりに絹糸のタッセルを。
「タッセル」というと洋風なようですが、房飾り自体はさまざまな国で昔から用いられているもので
キモノにも違和感なく馴染んでくれたのだと思います。
よく「渋い」と評していただく色遣いのルーツは、思えばここにあるのかもしれません。
当時よく選んでいたのは、メンズ着物の色に合う、渋めの中間色。
加えて私の中に強くある、旧い建築や町並み、クラシックなものへの憧憬が
制作を重ねるごとにだんだんと、つばめボビンの世界観をかたちづくってゆきました。
「つばめボビン」という名前は、幸福の使者ともよばれるつばめの顎の紅色のように、
装いや暮らしのアクセントになるものを作りたいということ。
そして私のモノづくりの最初の原動力となった
美しい色艶の「糸」を巻くもの=ボビンとを合わせて名づけました。
話は数十年遡り、小学校3年生のとき
私は手芸クラブに所属していました。
クラブ活動で作るものの材料を買いに出かけた、町の小さな手芸店。
そこで私は初めて見た、刺繍糸の棚に眼を奪われました。
それはどこの手芸店にも必ずある、あの色別に収められた透明の棚でしたが、
薄暗く雑然とした店内の突き当たりに、突如あらわれた色鮮やかな色彩が
はっとするほど美しかったのです。
開けてみるとそこには、滑らかな艶を帯びた、色、色、色。
そのとき、私ははじめて素材に突き動かされるように
これで何かを作ってみたい! と強く感じたのでした。
この、素材に導かれるような衝動は、今もあまり変わっていません(笑)。
「ボビン」には、そんな私のモノづくりの原風景を込めました。
創作のスタイルの中心にあるのは、天然石や絹糸をはじめ、ガラスビーズやヴィンテージパーツなど、
自身の興味や心の赴くままに集めた、国も年代もさまざまな素材のコラージュ。
自分自身が身につけたい、そして家族にも身につけてほしいものを、という当初からの想いを大切に
男性も女性も、そして和装だけでなく、時には洋装にも合わせられるアクセサリーを
ひとつひとつ丁寧に製作しています。
つばめボビンの小物が、あなたの素敵な装いの友となりますように。